- 2023年6月12日
看護師の「辞めたい」は甘えではない!心身の健康を守るための正当な選択だ
看護師という職業は、人々の命と健康を守る尊い仕事です。
しかし、その重責や厳しい労働環境から「辞めたい」と感じる方も少なくありません。
このブログ記事では、そんな看護師の皆さんの気持ちに寄り添いながら、「辞めたい」と思う理由が決して甘えではないことを理解し、適切な対処法や前向きなキャリア選択の考え方を提案していきます。
この記事を読むことで、以下のことが分かるようになります。
- 「辞めたい」と感じる理由の正当性
- その気持ちへの対処法
- キャリア選択の新たな視点
それでは、看護師が「辞めたい」と感じる主な理由から見ていきましょう。
看護師が「辞めたい」と感じる主な理由
過重労働とストレスで心身が疲れ果てて自分がぶっ壊れそう
看護師の仕事は、24時間365日休みなく続きます。
夜勤や長時間労働が当たり前の環境で、心身ともに疲れ果ててしまうことがあります。
例えば、ある看護師さんはこんな体験をしました。
「昨日の夜勤で患者さんの急変が3件もあって、朝まで走り回っていました。やっと帰宅できると思ったら、人手不足で残業を頼まれて…。こんな生活、いつまで続くのかと不安になります。」
このように、休む間もなく働き続けることで、心身のバランスを崩してしまうリスクが高まります。
人間関係の難しさで看護に対する意欲低下
病院という特殊な環境では、患者さんや家族、医師、他の看護師など、様々な人との関わりが求められます。それぞれの立場や考え方の違いから、コミュニケーションの難しさを感じることも少なくありません。
ある新人看護師はこんな悩みを抱えていました。
「先輩看護師の指導が厳しくて、毎日怒られてばかり。でも患者さんのためを思ってのことだとは分かっています。どうすれば上手くやっていけるのか分からなくて…。」
このように、人間関係のストレスが積み重なると、仕事への意欲が低下してしまうこともあります。
ずっと続く責任の重さとプレッシャー
看護師は患者さんの命に直接関わる仕事です。その責任の重さは想像以上で、常に緊張感を強いられます。
ベテラン看護師の方はこう語っています。
「20年以上この仕事をしていますが、今でも毎日が真剣勝負。一瞬の判断ミスが取り返しのつかない結果を招くかもしれない。そのプレッシャーは年々重くなる気がします。」
このように、常に完璧を求められる環境は、精神的な負担が非常に大きいのです。
必要とされるスキルアップや自己実現の難しさ
医療技術の進歩は日進月歩です。常に新しい知識や技術を学び続ける必要がありますが、忙しさのあまり十分な学習時間が取れないことも。また、自分のやりたい看護と現実のギャップに悩む方も多いです。
ある中堅看護師はこんな思いを抱えています。
「もっと患者さんと向き合う時間を作りたいのに、書類作業に追われる毎日。本当にこれでいいのかな、と考えてしまいます。」
このように、理想と現実のギャップに苦しむ看護師さんは少なくありません。
ワークライフバランスの崩れ
不規則な勤務体制は、私生活にも大きな影響を与えます。家族や友人との時間が取れない、趣味や自己啓発の時間が持てないなど、仕事以外の生活が犠牲になってしまうことがあります。
ある子育て中の看護師さんは、こんな悩みを抱えていました。
「子どもの運動会や参観日に行けないことが多くて…。家族との時間を大切にしたいのに、なかなか難しいんです。」
このように、仕事と私生活のバランスを取ることの難しさも、「辞めたい」と思わせる大きな要因の一つです。
「辞めたい」は甘えではない:その根拠
ここまで見てきたように、看護師が「辞めたい」と感じる理由は多岐にわたります。
そして、これは決して個人の甘えではありません。
その根拠を、データや様々な観点から見ていきましょう。
看護師の離職率と実態データ
日本看護協会の調査によると、看護師の離職率は毎年10%~16%で推移しています。
既卒 | 16.6% |
正規雇用 | 11.8% |
新卒 | 10.2% |
新卒看護師より既卒看護師の方が離職率は高いですよね。
経験値があるからこそ、職場の見極め、退職判断が早いのかもしれません。
これらの数字が示すのは、看護師という職業の厳しさと、多くの人が悩みを抱えている現状です。
決して特殊なケースではないのです。
心身の健康への影響
長時間労働やストレスの蓄積は、心身の健康に深刻な影響を及ぼします。
例えば、
- 慢性的な疲労やバーンアウト症候群
- 不眠や食欲不振などの身体症状
- うつ病などのメンタルヘルス疾患のリスク増加
これらの症状は、個人の努力だけでは解決が難しい場合があります。
「辞めたい」という思いは、自身の健康を守るためのSOSとも言えるのです。
看護の質と患者安全への影響
過度のストレスや疲労は、ミスのリスクを高めます。
これは患者さんの安全に直結する問題です。
ある研究では、看護師の労働時間が長くなるほど、医療ミスの発生率が上昇することが示されています。
つまり、「辞めたい」と感じるほど追い詰められた状況は、患者さんにとっても望ましくないのです。
職業選択の自由と自己実現の重要性
日本国憲法第22条では職業選択の自由が保障されています。
自分に合った仕事を選び、自己実現を図ることは、個人の幸福追求権にも関わる重要な権利です。
看護師という職業にやりがいを感じられなくなったり、別の形で社会に貢献したいと思うのは、むしろ前向きな姿勢と言えるでしょう。
「辞めたい」気持ちへの対処法
「辞めたい」と感じたとき、まずは冷静に状況を分析し、適切な対処法を考えることが大切です。
以下に、具体的なステップを紹介します。
自己分析:本当の原因を特定する
まずは、なぜ「辞めたい」と感じているのか、その根本原因を探ることから始めましょう。
以下のような質問に答えてみてください。
- いつから「辞めたい」と感じ始めたか?
- どんな状況のときに特に強くその気持ちになるか?
- 仕事のどの部分にやりがいを感じているか?
- 逆に、どの部分に苦痛を感じているか?
これらの問いに丁寧に向き合うことで、問題の本質が見えてくるかもしれません。
職場内での改善策
問題が職場環境にある場合、まずは職場内での改善を試みることをおすすめします。
上司や同僚との対話
悩みを一人で抱え込まずに、信頼できる上司や同僚に相談してみましょう。客観的な意見をもらうことで、新たな視点が得られるかもしれません。
例えば、こんな風に切り出すのはいかがでしょうか:
「最近、仕事に行き詰まりを感じていて…。一緒に改善策を考えていただけませんか?」
異動や勤務形態の変更の検討
現在の部署や勤務形態が自分に合っていないと感じたら、異動や勤務形態の変更を申し出ることも検討しましょう。
例えば、夜勤がつらいなら日勤のみの部署への異動を希望するなど、具体的な提案をしてみるのも良いでしょう。
心身のケア方法
ストレスや疲労が蓄積していると、物事を冷静に判断することが難しくなります。
まずは心身のケアを優先することが大切です。
以下に、簡単にできるセルフケアの方法をいくつか紹介します。
- 十分な睡眠をとる
- バランスの良い食事を心がける
- 適度な運動を取り入れる
- リラックス法(深呼吸、瞑想など)を実践する
- 趣味や好きなことに時間を使う
また、心身の不調が続く場合は、専門家(医師やカウンセラー)に相談することをためらわないでください。
キャリアカウンセリングの活用
自分一人では解決策が見つからない場合、キャリアカウンセリングの利用も検討しましょう。
キャリアカウンセラーは、あなたの経験やスキル、価値観を客観的に分析し、新たなキャリアの可能性を提案してくれます。
多くの病院や看護協会でキャリアカウンセリングのサービスを提供しています。
また、外部の専門機関を利用することもできます。
キャリア選択の考え方
「辞めたい」と思ったとき、必ずしも看護師を完全に辞める必要はありません。
様々な選択肢があることを知っておくと、より柔軟な発想ができるでしょう。
看護師を続ける選択肢
看護師として働き続けたい場合、以下のような選択肢があります。
異なる診療科や施設への転職
現在の環境が合わないと感じたら、別の診療科や施設に転職するのも一つの手段です。例えば、急性期病院での勤務がきつい場合、慢性期病院やクリニックなど、よりゆったりとしたペースで働ける環境を選ぶこともできます。
専門性の追求(認定看護師など)
特定の分野でより深い知識とスキルを身につけたい場合、認定看護師や専門看護師などの資格取得を目指すのも良いでしょう。キャリアアップの機会となるだけでなく、自己実現にもつながります。
以下に、主な認定看護師の種類をまとめました。
分野 | 概要 |
---|---|
救急看護 | 緊急時の迅速な判断と処置に特化 |
がん化学療法看護 | がん患者の化学療法に関する専門的ケア |
感染管理 | 院内感染の予防と管理 |
糖尿病看護 | 糖尿病患者の生活指導と管理 |
緩和ケア | 終末期患者の苦痛緩和と QOL 向上 |
看護師から転職する選択肢
看護師としての経験を活かしつつ、別の職種に転職する道もあります。
医療関連職への転職
- 医療事務
- 医療機器メーカーの営業職
- 製薬会社のMR(医薬情報担当者)
- 医療コーディネーター
これらの職種では、看護師としての知識や経験が大いに役立ちます。
看護スキルを活かせる他業種
- 介護施設の管理者
- 健康食品や美容関連企業のアドバイザー
- 医療系ライター
- 保育園や幼稚園の看護師
このように、看護師の資格や経験を活かせる仕事は意外と多いのです。
転職を考える際の具体的なステップ
転職を決意したら、以下のステップに沿って準備を進めていくと良いでしょう。
情報収集と市場調査
まずは、興味のある職種や業界について徹底的に調べましょう。
- 業界誌やウェブサイトでの情報収集
- 転職サイトでの求人情報チェック
- 可能であれば、実際にその職種で働いている人へのインタビュー
これらの活動を通じて、自分に合った仕事を見つける手がかりが得られるはずです。
スキルの棚卸しと自己PR
看護師としての経験で培ったスキルを整理し、新しい職場でどのように活かせるか考えましょう。
例えば、
- コミュニケーション能力
- 緊急時の判断力
- チームワーク力
- 医療知識
- 患者ケアのスキル
これらのスキルは、多くの職場で高く評価されます。
自己PRの際には、具体的なエピソードを交えて説明すると、より説得力が増します。
転職エージェントの活用法
転職エージェントは、求人情報の提供だけでなく、履歴書の添削や面接対策など、転職活動全般をサポートしてくれます。
医療業界に特化したエージェントも多いので、ぜひ活用しましょう。
エージェントを選ぶ際のポイント
- 看護師や医療業界の転職に強いこと
- 豊富な求人情報を持っていること
- キャリアカウンセリングが充実していること
- 利用者の評判が良いこと
複数のエージェントを併用するのも効果的です。
ただし、同じ求人に重複してエントリーしないよう注意しましょう。
履歴書・職務経歴書の書き方
履歴書と職務経歴書は、あなたの魅力を伝える大切なツールです。
以下のポイントに気をつけて作成しましょう。
履歴書のポイント
- 写真は笑顔で明るい印象のものを使用
- 志望動機は具体的かつ簡潔に
- 資格や受賞歴は漏れなく記載
職務経歴書のポイント
- 経歴は新しいものから順に記載
- 具体的な実績や数字を盛り込む
- 転職先で活かせるスキルを強調
例えば、こんな書き方はいかがでしょうか。
「ICUで3年間勤務。人工呼吸器管理や急変時の対応を通じて、緊急時の判断力と冷静さを身につけました。また、多職種連携のハブとなり、チーム医療の円滑な進行に貢献しました。」
面接対策
面接では、あなたの人柄や意欲、コミュニケーション能力が問われます。
以下のような準備をしておきましょう。
- 志望動機の整理:なぜその会社・職種を選んだのか、明確に説明できるようにする
- 自己PR:強みや特徴を3つほど挙げ、具体的なエピソードと共に説明できるようにする
- 質問への対策:よくある質問(「看護師を辞めた理由は?」「当社でどのように活躍したいか?」など)への回答を準備する
- 逆質問の用意:企業や職場環境について聞きたいことをリストアップしておく
面接では、笑顔で丁寧な言葉遣いを心がけ、目線を合わせるなど、非言語コミュニケーションにも気を配りましょう。
円満退職のための準備と手順
転職が決まったら、現在の職場での円満退職に向けて準備を進めます。
以下のステップを参考にしてください。
退職の意思表明のタイミングと方法
一般的に、退職の意思は1〜2ヶ月前に伝えるのが望ましいでしょう。
まずは直属の上司に口頭で伝え、その後人事部門に正式な退職届を提出します。
退職理由を説明する際は、現在の職場や同僚への感謝の気持ちを忘れずに。
例えば、こんな風に伝えるのはいかがでしょうか。
「これまで大変お世話になり、ありがとうございました。看護師として多くのことを学ばせていただきましたが、新たなキャリアにチャレンジしたいと考え、退職を決意しました。」
引継ぎの重要性と方法
円満退職のカギは、丁寧な引継ぎです。
患者さんの情報や業務のノウハウなど、必要な情報を漏れなく伝えましょう。
効果的な引継ぎの方法
- 引継ぎ事項をリスト化する
- 優先順位をつけて計画的に進める
- マニュアルや手順書を作成する
- 分からないことは積極的に質問してもらう
丁寧な引継ぎは、あなたの後任者の負担を軽減するだけでなく、病院全体の円滑な運営にも貢献します。
退職後の保険や年金の手続き
退職に伴い、健康保険や年金の手続きが必要になります。
主な手続きは以下の通りです。
- 健康保険:国民健康保険への加入手続き(市区町村の窓口で)
- 年金:国民年金への切り替え手続き(同上)
- 雇用保険:離職票の受け取りと必要に応じて失業給付の申請
これらの手続きは期限があるものも多いので、退職後速やかに行いましょう。
不安な点があれば、人事部門や各窓口に相談してください。
まとめ
看護師として「辞めたい」と感じることは決して甘えではありません。
むしろ、自分自身と向き合い、よりよいキャリアを模索する勇気ある行動だと言えるでしょう。
ここで改めて、重要なポイントを整理します。
- 「辞めたい」気持ちは正当であり、慎重に検討すべきです。
- 自己分析と情報収集が重要です。現状を客観的に見つめ、様々な可能性を探りましょう。
- キャリア決定は前向きな選択です。看護師を続けるにせよ、新たな道を選ぶにせよ、自分らしい選択をすることが大切です。
最後に、どんな選択をするにしても、これまでの経験は必ず活きてきます。
看護師として培った知識やスキル、人間性は、どんな場面でも貴重な財産となるはずです。
自信を持って、新たな一歩を踏み出してください。
Q&A:よくある質問と回答
看護師を辞めると、せっかく取得した資格が無駄になりませんか?
決して無駄にはなりません。看護師の資格は一生涯有効です。将来、再び看護師として働きたくなった時や、医療関連の仕事に就く際に大きな強みとなります。また、日常生活でも役立つ知識やスキルが多くあります。
転職活動中の面接で、「なぜ看護師を辞めるのか」と聞かれたらどう答えればいいですか?
否定的な理由を述べるのではなく、前向きな姿勢で答えることが大切です。例えば、「看護師として培った経験を活かしつつ、より広い視野で医療に貢献したいと考えました」といった回答が良いでしょう。
看護師以外の仕事に不安を感じています。適応できるでしょうか?
確かに不安は大きいかもしれません。しかし、看護師として働いた経験は、多くの職場で高く評価されます。コミュニケーション能力や責任感、チームワーク力など、汎用性の高いスキルを身につけているはずです。自信を持って新しい環境にチャレンジしてください。
一度看護師を辞めると、再び看護師として働くのは難しいですか?
決して難しくありません。看護師の需要は高く、ブランクがあっても歓迎する職場は多くあります。復職支援プログラムを用意している病院も増えています。ただし、医療技術の進歩は早いので、復職の際には最新の知識やスキルの更新が必要になるかもしれません。
退職後の保険や年金について、詳しく知りたいのですが?
退職後の手続きについては、以下の公的機関のウェブサイトで詳しい情報を得ることができます。
具体的な手続きは個々の状況によって異なる場合があるので、必要に応じて各窓口に直接相談することをおすすめします。
これらの質問と回答が、皆さんの疑問解消の一助となれば幸いです。
どんな選択をするにせよ、あなたらしい輝かしい未来が待っていることを信じています。
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ライター紹介
おーすけ
HSP気質でパニック障害持ち(断薬できました!)介護施設で介護職、看護師をはじめ職員の方々の負担軽減をITの力でサポート。でも、完璧主義で繊細な性格が私の健康を害し、仕事を辞めることに。今は、無理なく働けるよう、生活を変えました。脱「ええかっこしい」でゆる~く楽な生活へ。(資格:日商簿記2級、ITパスポート)